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2022-02-24

#25 巡礼中 | 松本 直也さん

今、普段は「巡礼」をやっています。人とか場所とか、何かご縁があったところでいろんな人と話して、そこで何か思いついたことやピンときたことをやっていってる感じですね。

もともと生まれも育ちも京都。実家はお寺なんですが、去年実家を出て、自然に近いほうがいいなぁと、ここしばらくは南丹市のシェアハウスに住んでいました。とはいえ、月の半分ぐらいは東京とかいろんなところに行ったり来たり。シェアハウスにいる間は南丹の集落のいろんな人、現代美術のアーティストとか無農薬の米や野菜を育てている人とかに「巡礼」していました。具体的にはお手伝いしに行ったりお話ししてみたいなことをずっと続けていました。

例えば知り合ったおじいちゃんが染め物をされていたので、染めを体験させてもらったり。そこでいろいろ喋ってたら、そのおじいちゃん、染め物だけじゃなくて、養蚕や場づくりをしていることを聞いたので、じゃあ俺行くわって、連絡先交換してもう翌々日とかには行ってお手伝いしたり。そこでまたいろんな人と出会って。こうやって人間関係みたいなことは自然とつながっていったりしてます。

基本的なスタンスとして、みんなそれぞれおもしろいしみんな好きって言うベースがあるんですよね。僕はそれを一緒にしゃべったりとか一緒に過ごす中で肌で感じたいなって思うので、会いたい人がいれば結構すぐ会いに行ったりするし、話を聞けば聞くほど、一緒に作業すればするほど大好きってなることが多い。「巡礼」では何かそういうことをずっと続けている気がしますね。

金銭面では、そうするうちに何かものをもらうようになったのもあるし、この活動自体にお金をくださる方が少しずつ現れ始めています。正直これは僕自身も少し驚いています。実は、3-4年前は結構意識高い系で、東京のベンチャーに入って働いていたんですよ。そこから2-3年くらい前に機会があって九州を旅する中で、自然暮らしというか自分をもっと大切にするみたいな生き方に気づき始めたんです。今思うとそこから生活の感じも大きく変わりましたね。

昨日は京都の友達のお店でおむすびを無料で配る、お布施活動をしてきました。おむすびお布施の活動は今まで何度かやったこともあって、京都では烏丸御池の飲食店で月に2回くらい活動してたり。今回も普通にお米とかは買って行こうかなと思ったんですけど、おむすびお布施をやることを公言してたら、友達が「家に余ってるお米3キロあげるよ」と言ってくれて、いつの間にか材料がそろって。なんかうっかり口に出したことが少しずつ実現していく、意外とそういうことが多いですね。
お米は、結局18合炊いて全部なくなりました。18合炊き上がったときは「やばー!」っておもしろがりながら少し焦ったけど、いろんなところで呼びかけたら、いろんな人がシェアしてくれたりつなげてくれてどんどん減っていきました。誕生日の人が来てくれたり、息子さんの分を持って帰ってくれる人がいたり。おむすびが連れて行ってくれた縁がすごいたくさんあってやっぱりやってよかったですね。

子供の頃から「みんな家族」っていう言葉を口癖のようにゆってたんです。別に家の家訓とかでもないんですけど。「巡礼」ではそれを具体的にやってる感じ。誰かに会ったり、話したりしていると、人間同士のあったかいやり取りがあって血縁関係だけじゃない「みんな家族」みたいになっていくんです。これからも、巡礼しながらそれを目指していく気がしてます。体験するからこそつながる実感があるし。今の時代ってやろうと思えば一人で生きれちゃう世の中じゃないですか。でも僕はそっちじゃなくて、人との関わりが絶対必要という状況に自分を追い込んででも、いろんな人と繋がっていきたいです。

 

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