#27 あんバター好き | 石井諒太
地元が兵庫で、大学が大阪やったんで、前から京都にはちょこちょこ遊びに来てたんです。ただ、その時は普通に観光地を巡ったり、ラーメン屋に行ったり。今回は、2カ月あったんで、せっかくやったら誰も行かんようなとこ行ってみたいなと思って「珍スポット巡り」とかしてましたね。例えば、この看板。ちょっと色褪せてて見えづらいんですけど、ちっちゃい「ァ」が入ってて「パーマ カワァイ」になってるんです。「カワイ」とちゃうんやなって。それだけなんですけど(笑)。そういうんが好きなんですよね。
あんバターもかなり食べました。京都に2カ月滞在している間に気づいたら40店舗以上行ってました。2日に1個、多いときは1日に2個。あんバターを好きになり始めたのは、2年前くらいなんです。名古屋で小倉トーストを食べたのがきっかけで。「あ、パンにあんこって合うんやな」って。京都にもパン屋さんがたくさんあるっていうのは知ってたんで、来る前からあんバター極めたろかなと思ってました。
でも実際に20個以上のあんバターを食べたあたりから、義務感みたいなのも湧いてきて。「今日もあんバター食べな、買いに行かな」ってなってましたね。一応は味わってるんですけど、途中から記憶が薄れてるような気がします(笑)。やけど、せっかくなんで京都で食べた40以上のあんバターの中から、Top 10をまとめてみました。
10位が「Cafe Verdi (カフェ・ヴェルディ) 」のあんバター。最近食べたとこなんですけど、ここはちょっとずるくって。パンがホットサンドなんですよ。さらに、アイスまで添えられてる。そんなん絶対美味しいんですよ。ほんまにずるい。オプションまで付けてあるんで。 さらに、中に求肥 (ぎゅうひ) っていうお餅みたいなのも入っていて、これもおいしい。ここはずるいですけど、おいしいです。
第9位が「菓子屋 のな」っていうところ。ここは、チャバタっていうパンを使ってるんです。イタリアかどっかの伝統的なやつなんですけど。中にくるみとレーズンまで入ってて。ほんで、ここは何よりもボリュームがすごい。1個だけ買うのもちょっとあれやなと思って同じのを2個買っちゃったんですけど、1日1個が限界でしたね。和菓子屋さんがつくってるんで、あんこもおいしかったです。
第8位は「RUFF」です。ここもちょっと大きめなんですよ。ふわふわのパンを使っていて。ほんでここは、あんこがゴリゴリなんですよ。スッゴイ食感が残ってる。もしかしたら好みは分かれるかもしれないですね。最初、くるみかなって思ったぐらい。いろんな食感があるんやなって思いましたね。
7位が「Boulangerie YAMAZAKI (ブーランジェリー山崎) 」のあんバターです。ここは、2回チャレンジしたんですけど、1回目はなかったんですよ。パン屋さん自体が有名やから、お昼過ぎには売り切れちゃってたんです。ここ、すごい美味しかったんですけど、ちっちゃいんですよね、大きさが。もう一瞬でなくなっちゃう。ただ、味のバランスが良かったですね。あまじょっぱい感じで。あんバターって、パンとあんことバターのどれかが強いとかもあるんですよ。ここは3つのバランスでいうと、ほぼほぼ完璧に近いですね。ただ、僕にはちっちゃかったので第7位です。
第6位は、「カフェ コチとアネ」。ここは「コチ」の方がカフェで、「アネ」の方がパン屋らしいです。ここのあんバターはフランスパン系の硬めのパンで、ゴマがトッピングしてあるんです。ここもバランス良かったんですよ。個人的には、フランスパンみたいに硬めで縦長の形が好きなんです。普通の丸いパンだとどこから食べても、ぐちゅっとはみ出しちゃう。ゴマのアクセントも、風味が変わっておいしかったですね。
第5位が「Boulangerie Oshow (ブーランジェリー オショウ)」。ここのパン、米粉で作ってあってふわふわもちもちなんですよね。やっぱパンの味も少し違うんです。バランス的には、少しパンの味が前に出てくる感じですね。
4位が「鴨川ベーカリー」です。Top10の中で唯一のベーグル。しかもバターが植物性なんです。だから、ぜんぜん重くないですよね。あんバターって、1日食べれても2個が限界なんですよ。でも、これを食べたときは胃もたれ感がなかったですね。ただ、ベーグルがもちもちしてて結構お腹に来るんで、やっぱり1日のMAXは2個ですけどね。重くないけど、お腹いっぱいになる。バター単体やったら何個でも行けますね。
第3位が「まるき製パン所」。ここは結構歴史が長いみたいで、コッペパンに惣菜とか甘い系とかを挟んで勝負してきたお店らしいです。おもしろいのがここのメニューにはあんバターはないんですよ。普通にあんぱんがあるだけ。そのあんぱんに、頼めばバターをトッピングできるんですよね。どこにも書いてないんですけど。バターはその場で塗ってもらえるんで、塗りたてで。あんバターって、時間が経つとパンにバターがしみ込んでたりすることもあるんです。ここはコスパもよくてパンもおいしくて。
2位が「マンハッタン」。ここはパンが独特で割と硬め。あと、バターに北海道のよつ葉バターを使ってるみたいです。ここもバランスよくて。なにより硬さが良いんです。これは僕の好みなんですけど、口の中切れるんちゃうかってくらい硬いパンが好きなんですよね。よく噛まなあかんから、長い間楽しめるし。
1位は五条にある「新田ベーカリー」です。これも、かなりパンが硬い。さっきのとこより硬さ上回ってます。顔が「ギュッ」てなるぐらい噛みちぎるんに力が入るんです。味のバランスも完璧で。柔らかいんが好きなんか硬いんが好きなんかで、みんなの好みは分かれると思うんですけど。硬いんが好きな僕にとっては一番心に残りましたね。やっぱり、長時間味わえることは大事やなと思います。
Top10には、入れれへんかったですけど、たい焼きあんバターなんかもありました。嵐山にある「まめものとたい焼き」ってとこなんですけど。普通の丸い鯛焼きなんですよ。そこに切れ目入れて、バターを挟んでくれるんです。売り文句は賞味期限1分。1分以内に食べへんとバターがベトベトになるから、早く食べなあかんっていう。美味しかったんですけど、2口目ぐらいでバター落としちゃって、後半はただのたい焼きになっちゃったんですよね。そういう経験もありました。
今後はいったん地元に戻るんですけど、バイクの免許をとっていろんなところをうろうろしてみたいですね。兵庫県内でもまだいけてないお店があるんで。でも、さすがにこんなに詰め詰めのスケジュールではあんバター食べへんと思います。義務感じゃなくて、おいしいって感じられる気持ちを大切に。この2ヶ月間はいろいろ動きまわりましたけど、大きな体調不良もなかったんですよ。きっとあんバターのおかげかもしれないですね。